台本「Memorias del mundo」第1話
●共通)台本の読み方・キャラ名+台詞番号がふられています。
・◇はシーン、◆は音響指示、※は注記です。
●今回登場人物と台詞数
タニア:ta001-ta020
ベリンダ:be001-be017
ロサ:rs001-003
父:pp001-pp004
ナレーション:na001-na003
男:em001-em004
女:ew001-ew004
←公開台本一覧へ
Memorias del mundo 第1話「小さな旅立ち」
公開中の動画
台本
◇暗転~OP
◆SE:時計の針
ナレーション na001
「― 時間の長さを、正確に判断できるだろうか?
世界の大きさを、具体的に説明できるだろうか?
ある人にとってはとても大きく、ある人にとってはとても小さい。
尺度は常に曖昧なものである。―」
ナレーション na002
「(↑よりトーンを上げて)小さな街に暮らす姉妹がいた。
彼女たちにとってその街が世界の全てであり、家族や友人達こそが全てのヒトであった。
少なくとも、いまは、まだ。」
◆SE:フェードアウト→鳥のさえずり→近づく足音→ドアを開く
◇ベリンダの部屋
タニア ta001
「ねぇベリー?私ね、行くことにしたの!」
ベリー be001
「えっ!?お姉ちゃん?どこへ行くっていうの?」
タニア ta002
「決まってるじゃない!お父さんを追いかけて、ずっとずっと向こうまで!」
ベリー be002
「(溜息)…はぁ、いきなり宛てもわからずに旅に出るなんて無理だよ?」
タニア ta003
「なるほどぅ!それもそうねぇ…」
ベリー be003
「お姉ちゃ ん、やっぱり何も考えてなかったんだ。いつもだけど。」
タニア ta004
「考えてる考えてる、今。(わざとらしく)…ん~、いやいや、まてまて、えーっと…」
ベリー be004
「なんだか嫌な予感がするなぁ…。」
タニア ta005
「そうだ!ベリー、何かいいアイディアある?」
ベリー be005
「そうだ!じゃないよぉ!自分で考える気ないでしょ?」
タニア ta006
「ベリーはまだ子どもねー。私はお姉さんとして、妹の想像力を鍛えようと"わざと"質問してるの!」
ベリー be006
「(困った風に)…もう!いっつもそういうこと言って、結局私に押し付けるんじゃない。
大体、お姉ちゃんは考え無しに先走るからダメなんだよ?
思いついたことをテキトーにやろうとするから迷惑かけるし、ほらあの時だって…
いきなりトマトを投げつけたりしたから…」
◆台詞途中からフェードアウト→間
◇暗転
◆SE:海辺 BGM:落ち着いたクラシックが入ります
父 pp001
「私が画家を志した理由は、絵が好きだから。
…ああ待て待て、それだけじゃない。
旅が好きだからというのもある。
旅というのは、まだ見ぬ景色を見たいという飽くなき探求心でもある。」
父 pp002
「しかし、二人の娘と妻を残してきたことを後悔していないと言えば嘘になる。
上の子がタニア、下の子がベリンダ。
もう3年以上経つから、上は17になるな。片時も家族のことを忘れたことはない。」
父 pp003
「随分遠くへ来てしまったが、いま私の目に映る景色を
二人にも見せてあげたい。そう思って絵筆を取っている。」
父 pp004
「…どうしているかな。タニアはやんちゃで無鉄砲なところがあるから、
(徐々に微笑み)しっかりもののベリンダにお説教されていたりしてな。はは。
(急に寂しく)…会いたくなるな。」
◆フェードアウト→間→フクロウが鳴く森へ
◇鬱蒼とした森の闇の中を男女が「行方不明の子ども」を探して歩く
女 ew001
「やっぱり、いくらなんでもここまでは来てないんじゃない?」
男 em001
「…おれは、言いたくはないが"例の神隠し"だと思うな。」
女 ew002
「…考えたくはないけどね。これだけ探しても見つからないし。」
男 em002
「前の戦争で神殿が壊されただろ?やっぱり無理してでも直すべきなんだ。
山の神を鎮める(シズメル)ために造られたものなんだから…」
女 ew003
「山の神がお怒りになってるのかもしれない、か。」
男 em003
「それしか考えられないな。
…しかしあそこの家は親父が放浪してるし、残された奥さんは…」
女 ew004
「男ってのはホント、無責任ね。
戦争をしては人を殺すし、平和になれば自由気まま、気の向くまま。」
男 em004
「(ぼそっと)…言い返したいけど言えないよな。状況的に。」
◆歩く音のみフェードアウト
◇同じ森、朽ちた神殿の近く
※疲労+落ち込んでいるベリー、疲れたけど明るいタニア
ベリー be007
「おなか、すいたよ…」
タニア ta007
「(キノコ発見)おっ!見て見て!おいしそうなキノコ発見!」
ベリー be008
「…キレイな虹の色だね。食べちゃダメだよ?」
タニア ta008
「背に腹は代えられないじゃない!」
ベリー be009
「(弱々しく)…もういいよ、お姉ちゃんのバカぁ。
(半べそ)おうち、帰りたいよぅ…。」
タニア ta009
「(もぐもぐ)あ、結構イケるよこれ。」
◆ショートBGM:コメディー
ベリー be010
「(驚愕)えぇぇぇ!食べちゃった!?」
タニア ta010
「火を通せばもっとおいしそうね。
ほらベリー、泣いてたって先には進めないよ?
お姉ちゃんが食べたんだから平気だよ!」
◆BGM:フェードアウト
ベリー be011
「(涙を拭って)…うん。」
◆少しの間 SEフクロウなど
タニア ta011
「(微かな光に気づく)…なんか、向こうの方にぼんやり見えない?」
ベリー be012
「え?…うーん、よーく見たら、少し光ってるような…。
もしかして…」
※同時
タニア ta012
「(わくわく)妖精さんかな?」
ベリー be013
「(こわがり)お化けかな?」
/※
タニア ta013
「(手を取り)行ってみよう!」
ベリー be014
「わ、引っ張らないで!」
◆SE:森を走る→フェードアウト→BGM:神々しい建物
◇壊れた神殿
※ロサは長い眠りから覚めたところです。
ロサ
「ふわ~あ…よく寝た…。
300年、いや400年くらいか。
(あくびをして)まだ眠い。あと5年…。」
◆SE:近づく足音
タニア ta014
「見てベリー!誰かいるよ!」
ベリー be015
「こんなところに…。」
ロサ rs001
「(近寄る二人に気づく)あらまぁ、可愛い娘さんだこと。」
タニア ta015
「娘さん?レディーに向かって失礼ねぇ。
あなたの方がちっちゃいじゃない。」
ロサ rs002
「…だから人間は矮小(ワイショウ)なのだ。目に映るものでしか判断できない。」
タニア ta016
「(気にせず)なんか変わった子ね。私、タニア。こっちは妹のベリンダ。あなたは?」
ロサ rs003
「(何かを含んで)…なるほどな。私は…(間をおいて)…ん、なんだったかの?」
※同時
タニア ta017
「え?!」
ベリー be016
「え?!」
◇次回予告 BGM:予告
※テンポよくお願いします。
タニア ta018
「タニアです。(弁士のように)世界の果てを目指し旅立った私達の前に、迷いの森が立ちはだかる!」
ベリー be017
「迷子になっただけだけどね…」
タニア ta019
「そこで出会った謎の少女!その正体とは!?」
ナレーション na003
「次回メモリアスデルムンド第2話『足跡を追って』。お楽しみに。」
タニア ta020
「あなた誰!?」
----第1話END----